ペルソナとは?完成例6つで解説(B2C・B2B)
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テーマ: マーケティング
著者: Leandro Valencia
ペルソナ(バイヤーペルソナ)とは何かを、B2CとB2Bの完成例6つで解説。各項目から何がわかるか、なぜその施策なのかをブロックごとに読み解きます。無料テンプレート付き。
目次
ペルソナ(バイヤーペルソナ)とは、理想の顧客を具体的な1人の人物として書いたプロフィールです。名前、その人が言いそうな一言、目標、悩み、情報を得るチャネル、購入をためらう理由までを書きます。プレゼン用に作った架空の人物像ではなく、実際の顧客について知っていることから作り、判断に使うものです。このページの6つの例は、無料・登録不要のペルソナテンプレートにすべて収録されているので、開いて自分用に書き換えられます。
ターゲットとの違いは解像度です。「25〜40歳の女性」からわかるのは誰に広告を見せるかだけですが、「深夜0時までInstagramの注文に返信していて、新しいツールを覚える時間がない美咲さん」からは、広告に何を書き、何を提供し、どんな不安を解消すべきかがわかります。そこでこの記事では理論の説明はくり返さず、完成したプロフィールを6つ見ていきます。一般消費者向けが3つ、企業向けが3つです。それぞれについて、各ブロックから何がわかるのか、なぜプランにその施策が並んでいるのかを読み解きます。
ペルソナシートの項目
テンプレートのシートには8つのブロックがあります。最初の5つで人物を描き、残りの3つでその描写を自分の判断に落とし込みます。その下には顧客の3つの段階(認知・検討・決定)に沿ったアクションプランがあり、段階ごとにメインのチャネルと、未着手・進行中・完了で管理するアクションを書きます。
| ブロック | 答える問い |
|---|---|
| 基本情報 | 年齢、居住地、職業、収入。人物像をつかむのに必要な分だけ |
| 目標 | 何を達成したいか、その人にとっての成功とは何か |
| 悩み・不満 | 今、時間やお金や睡眠を奪っているもの |
| よく使うチャネル | どこで情報を得て、誰の意見を聞くか |
| 購入をためらう理由 | 買う前に何がブレーキになるか |
| キーメッセージ | 自分のことだと感じてもらうための一言 |
| 意思決定の仕方 | 何を比べ、何で納得し、ほかに誰が口を出すか |
| 提供するもの | 悩みを解決する商品や条件 |
全体をつなぐルールはこうです。購入をためらう理由には、キーメッセージか提供するもののどこかで必ず答える。そして、プランの各段階では「よく使うチャネル」に書いたチャネルを使う。下のブロックが上のどれにも答えていないなら、余計なものか、情報が足りないかのどちらかです。以下の例はこのルールで作られているので、そこに注目して読んでください。
例1:Instagramの洋服ショップ(B2C)
山本美咲さんは32歳、大阪市在住で、Instagramで洋服を売っています。このシートで彼女は、DMの注文対応を効率化するツールの顧客です。彼女の一言がすべてを表しています。「夜遅くまでメッセージに返信しなくても、もっと売れるようになりたい」。
シートからわかること
キーメッセージの「注文対応が数時間から数分に」は、深夜0時まで手作業で注文に返信しているという一番の悩みを裏返したものです。顧客自身の言葉で悩みを語るので、もっとも外しにくいメッセージの書き方です。ためらう理由は時間(新しいツールを覚える時間がない)と、今の売上規模に対する価格の2つで、提供するものはその両方に答えています。ゼロから始めずに済む返信テンプレート、最初の数日のチャットサポート、14日間の無料トライアルです。「意思決定の仕方」には見落としやすい情報があります。自分で決めるが、共同経営者にも相談する。つまり、検討段階で渡す資料は転送しやすい形にしておく必要があります。
なぜこの施策なのか
認知はすでに完了(ショップのビフォーアフターを見せるリール動画)で、コメント欄の質問への回答が進行中です。Instagramが彼女のチャネルであり、職場でもあるからです。残っている作業はすべて決定段階に集中していて3つあり、最後の1つがいちばん示唆的です。トライアル終了前のリマインドです。毎日トラブル対応に追われている人の場合、リスクはツールを気に入らないことではなく、試していること自体を忘れてしまうことなのです。
ペルソナテンプレートの「例を読み込む」から「Instagramで服を売るショップのオーナー」を選ぶと開けます。
例2:中小製造業の購買課長(B2B)
中村健一さんは46歳、名古屋市にある包装資材メーカーの購買課長です。自分のためではなく会社のために資材を買う立場で、その一言が基準を示しています。「約束するだけの業者ではなく、納期を守る業者が必要なんです」。
シートからわかること
もっともわかりやすいB2Bの例です。最初のためらいの理由は会社のものではなく、本人のものです。仕入れ先を変えるのは自分にとってリスクなのです。新しい業者が失敗すれば生産ラインが止まり、責任は選んだ人にかかります。だから提供するものは価格からではなく、そのリスクを下げることから始まります。条件を明確にしたテスト発注と、契約前の工場見学です。キーメッセージもやはり悩みから生まれています。「納品の遅れ」には「書面で保証する確実な納期」、「見積もりと請求書で金額が変わる」には「契約期間中は価格を固定」。チャネルにSNSはありません。メール、業界の展示会、他社の購買担当者からの紹介です。
なぜこの施策なのか
「意思決定の仕方」には2人の人物が登場します。中村さんは最低3社の見積もりを比較しますが、大きな購入は財務部長が承認します。だから決定段階では本人ではなく上司に向けて、経営陣向けのコスト削減のまとめを用意します。B2Bでは2回売ることになります。最初は評価する人に、次にその人を通じて決裁する人に。あなたの仕事は、その会議で彼が使う材料を渡すことです。進行中の「詳細な見積もりを1つの資料にまとめて送る」は、表計算ソフトで提案を比べるのに何時間もかかるという、もう1つの悩みへの答えです。
ペルソナテンプレートの「例を読み込む」から「中小製造業の購買担当課長」を選ぶと開けます。
例3:フリーランスに依頼する経営者(B2B)
小林大輔さんは38歳、さいたま市で3店舗を展開する金物店の経営者です。お店のイメージを一新したくて、フリーランスのデザイナーを探しています。「デザインのことはわからない。ただ、ちゃんとした会社に見えるようにしたい」。
シートからわかること
昔ながらの商売をしている会社に営業するフリーランスなら、誰にでも使えるシートです。ほぼすべてのブロックが信頼を中心に回っています。以前のデザイナーが作業の途中で連絡が取れなくなり、前払いが不安で、フリーランスは制作会社より頼りないと思っています。提供するものは、この不安に対抗する形で組まれています。総額を明示した見積もり(ロゴにいくらかかるのが普通なのか知らないから)、3回に分けた支払い、修正2回まで込み。「専門用語を使わずに説明します」というメッセージは、専門用語がわからないという別の悩みへの答えです。サービスを売っているなら、この順番に注目してください。過去の悪い経験がためらいの理由を説明し、ためらいの理由が料金の取り方を決めています。
なぜこの施策なのか
小林さんは過去の制作実績を見たがり、ビデオ通話で話してから決めます。そこでプランでは、ポートフォリオに地元のお店の事例を載せ(完了)、提案書を送る前にお店のことを知るための20分の打ち合わせをします。最後のやりとりがLINEなのは、店主が契約の疑問を解消する場所がそこだからです。そして最後のアクション、3回に分けた支払いの提案は、一番のためらいの理由をオファーの一部に変えています。
ペルソナテンプレートの「例を読み込む」から「フリーランスのデザイナーに依頼する店舗経営者」を選ぶと開けます。
例4:近所の定食屋の常連客(B2C)
鈴木恵子さんは54歳の小学校の教員で、東京都世田谷区に住んでいます。週に何度も同じ定食屋でお昼を食べます。「家にいるみたいに迎えてくれて、料理がいつも温かいから通っているの」。
シートからわかること
このペルソナは新規客を集めるためではなく、すでに通ってくれている客を引き止めるためのもので、それがすべてのブロックを変えています。チャネルはご近所の口コミ、お店のLINE公式アカウント、店の前を通りかかること。広告は出てきません。悩みは小さいけれど具体的で(お昼どきの長い行列、行くたびに味が変わる料理、日替わり定食が事前にわからない)、それぞれにメッセージで答えています。「いつ来ても変わらない家庭の味」と「日替わり定食を毎朝お知らせ」です。値上がりというためらいの理由には、値下げではなく、決まった値段の日替わり定食とポイントカードで応えています。
なぜこの施策なのか
認知のアクションは2つとも完了していて、どちらもお金がかかりません。毎朝LINEで日替わり定食を配信することと、入口に看板メニューの立て看板を置くことです。いちばん面白いのは決定段階の「次の金曜日の席の予約をすすめる」です。これは3つのブロックを掛け合わせたものです。彼女の目標の1つは金曜日に友人と集まること、店は友人のおすすめで選び、ずっと前から予約するのは好きではない。その週のうちにメッセージで取れる予約はそのすべてに合っていて、同じく店を選ぶ友人たちまで連れてきてくれます。
ペルソナテンプレートの「例を読み込む」から「近所の定食屋の常連客」を選ぶと開けます。
例5:アプリを検討するチームリーダー(B2B)
高橋彩さんは29歳、福岡市で8人のチームを率いています。業務効率化アプリを検討中で、その一言はあらゆるソフトウェアにとって一番手ごわいためらいの理由です。「チームが使い方を覚えるのに苦労するようなら、2週間で使わなくなります」。
シートからわかること
高橋さんはアプリを使い、導入を提案する人ですが、お金を払う人ではありません。費用は上司の承認が必要です。しかもチームはすでに2つのアプリを試して挫折しているので、彼女が本当に恐れているのは価格ではなく、3度目の失敗で立場を悪くすることです。メッセージはそこに答え(「研修なしで10分で使い始められる」)、提供するものは言い訳を1つずつ消していきます。移行が面倒という気持ちには表計算ソフトからのインポート、すぐ使えるプロジェクトのテンプレート、少人数チーム向けの無料プラン。「意思決定の仕方」には、料金ページを変えるべき条件も書かれています。1人ごとではなく、チーム単位の料金がいいのです。
なぜこの施策なのか
検討段階にアクションが3つあるのはこのシートだけです。このペルソナが下調べをするのがこの段階だからで、メールマガジン、コミュニティ、比較サイトのレビューで情報を集めます。だからアクションの1つが「ほかのアプリとの正直な比較を公開する」なのです。自分で書かなければ、彼女はそれをレビューサイトで読むことになります。決定段階の2つのアクションは、彼女の決め方をそのままなぞっています。同僚2人を試用に招待すること(提案する前に彼女がすること)と、上司向けに料金のまとめを送ることです。
ペルソナテンプレートの「例を読み込む」から「業務効率化アプリを検討するチームリーダー」を選ぶと開けます。
例6:講座を買うフォロワー(B2C)
伊藤翔太さんは24歳、札幌市在住の事務職で、夜はデザインの副業をしています。何か月もあるクリエイターの動画を見ていて、その人の講座を買おうか考えています。「何か月も動画を見てきたので、今度は一歩ずつ教えてほしい」。
シートからわかること
教育コンテンツを売るクリエイターにとって典型的なシートです。ためらいの理由は3つとも価値への疑問です。値段に見合う講座かわからない、最後までやり切る時間がないかもしれない、大げさな約束をする講座を見てきた。だからメッセージは大きな約束を避けています。「大げさな約束ではなく、受講生の本当の成果」。悩みを見ると、彼が本当に買っているものがわかります。足りないのは動画ではなく、順序と、質問できる相手です。それを届けるのが、質問できるコミュニティへの参加です。「意思決定の仕方」ははっきり書いています。セールか分割払いを待ち、受講した人のコメントを読む。
なぜこの施策なのか
プランは、彼がフォロワーとしてすでにたどった道をなぞっています。具体的なコツを紹介するショート動画を週1本(完了)、固定コメントからコミュニティへの招待(進行中)。検討段階では、最初のレッスンを無料でメール配信することで、お金を求めずに価値への疑問に答え、受講生が完成させた作品の紹介で、大げさな約束への不信感に応えます。決定段階で3回の分割払いを受け付けるのは、まさに彼が決めるために出した条件そのものです。
ペルソナテンプレートの「例を読み込む」から「クリエイターの講座を買うフォロワー」を選ぶと開けます。
キャンバスからペルソナへ:セグメントを1人の人物に
すでにビジネスモデルキャンバスを作っているなら、シートの半分はできています。顧客セグメントのブロックには誰に売るかが書かれていますが、セグメントは集団(「25〜40歳の会社員」)です。メッセージを書くには、その集団の中の1人が必要です。セグメントからペルソナへ進むには、もっとも重要なセグメントを選び、そこに属する具体的な1人について自分が何を知っているかを考えます。
キャンバステンプレートでは、顧客セグメントのブロックにメモが1つ以上あると、その下に「ペルソナを作成」のリンクが表示されます。クリックすると新しいシートが作られ、最初のセグメントが「基本情報」に、価値提案が「提供するもの」に、チャネルが「よく使うチャネル」に入り、最初のチャネルが認知段階のチャネルになります。リーンキャンバスで作業している場合は、課題のブロックも「悩み・不満」に入ります。キャンバスからは得られない目標、ためらいの理由、意思決定の仕方、名前は自分で埋めます。別のセグメントで作りたいときは、キャンバスでそのセグメントを一番上に移動してから、もう一度シートを作成してください。
この流れを具体的なビジネスで確認したいなら、ビジネスモデルキャンバスの完成例3つに、このページの例1によく似たInstagramのアパレルショップが入っています。
ペルソナ作りでよくある失敗
基本情報だけを埋める。 年齢、居住地、収入で人物の位置はわかりますが、何を書けばいいかはわかりません。6つの例すべてで、メッセージと提供するものを動かしているのは、悩み、ためらいの理由、意思決定の仕方です。基本情報がぎっしり埋まっていて、購入をためらう理由が空っぽなら、まだその人を知らないということです。
記録せずに想像で書く。 顧客が考えていそうなことを想像で書いたシートは、もともとの思い込みを裏づけるだけです。悩みやためらいの理由は、顧客がメッセージや電話、失注した商談で実際に使った言葉で書きましょう。その情報がないなら、シートは次の5回の会話で何を聞くべきかを教えてくれます。
シートだけ作ってプランを作らない。 どのアクションも変えないペルソナは、どれだけよく描けていても飾りです。下のプランはそのためにあります。3つの段階、少数のアクション、進めながら更新するステータス。マーケティング計画全体を作っているなら、このシートはマーケティング計画のテンプレートの、ターゲットと悩みの項目にそのまま使えます。
自分のペルソナを作る
自分のビジネスに一番近い例を選び、ペルソナテンプレートの「例を読み込む」から開いて、各メモを自分の顧客について知っていることに書き換え、今月できるアクションにプランを落とし込みましょう。テンプレートはブラウザに最大12人分のペルソナを保存でき、複製してバリエーションを試したり、各シートをPNGやPDFでダウンロードしたりできます。
Frequently asked questions
ペルソナとは何ですか?
理想の顧客を、実在する1人の人物のように描いた半架空のプロフィールです。どんな人か、何を達成したいか、何に困っているか、どこで情報を得ているか、購入前に何をためらうかをまとめます。実際の顧客との会話やメッセージ、失注した商談から作り、何を、どこで伝え、何を提供するかを決めるために使います。
ペルソナとターゲットの違いは?
ターゲットはデータで表した集団です(例:大阪在住の25〜40歳の女性)。ペルソナはその集団の中の具体的な1人で、悩み、ためらう理由、決め方を持っています。ターゲットからは誰に広告を見せるかが、ペルソナからはその広告で何を言うかがわかります。
この例を自分のビジネスにそのまま使えますか?
出発点として使ってください。6つの例はすべて説明用のケースで、名前や数字は架空です。テンプレートに読み込み、当てはまらないものを消して、各メモを自分の顧客から実際に聞いたことや見たことに書き換えましょう。裏づけのないメモは仮説として扱い、確かめてください。
ペルソナはいくつ必要ですか?
最初は1つか2つで十分です。悩み、チャネル、決め方が本当に違う場合だけ、新しいペルソナを作ります。購買担当者と承認する経営陣のようなケースです。2つのプロフィールがほとんど同じことを言っているなら、それは1つです。
ペルソナはどのくらいの頻度で見直すべきですか?
プロフィールと矛盾することがわかったときです。繰り返し出てくる新しいためらいの理由、顧客を連れてこなくなったチャネル、メモしていなかった理由で失った商談などです。下のアクションプランは、アクションを1つ終えるたびに、もっと頻繁に更新します。
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